淀川工科高校 観劇ブログ

淀川工科高校「オイディプス」観劇レポート

  7月22日、吹田メイシアターにて淀川工科高校さんの「オイディプス」を観させていただきました。
 ギリシャ神話というテーマでありながら、小道具や職業などが現代風になっているコントラストが違和感なくマッチしていて、発想が本当に凄いなと思いました。
 照明が全体的に大胆かつ繊細でストロボの使い方も工夫されており、とてもインパクトがありました。そして照明を利用して影を作った演出が素晴らしく、最後のイオカステの自殺後の場面でうつった影には圧倒されました。
 音響も、役者とのタイミングが息ぴったりで、フェードアウトがとても綺麗でした。音響ではさらに顧問の萩原先生によるギターの生演奏が心地よい生演奏で役者の心情も伝わってきて、シーンが際立っていました。
 とにかく役者さん一人ひとりの技術が高く、キャラが確立していて印象がとても強かったです。宴のシーンではギターと共に男性の力強い歌声が素敵でした。長いストップモーションもあったのですが、皆さん微動だにせず凄かったです。殺陣のシーンでは迫力があり引きつけられました。とてもかっこよかったです。
 女性役を男性がなさっていたことが舞台をより引き立てていたように感じました。女性よりも女性らしい、男性だから美しいとする理想的な女性になれるのかもしれないと感じました。ですが、そうなるには役者さんのひとつひとつの所作の美しさがあったからだと思います。
 
『人の不幸は蜜の味』と、人間の汚い部分が忠実に再現されており、すぐに態度を変えてしまう様子だとか叫ぶシーンでは鳥肌がたちました。下世話なニュースにニーズがある、簡単に立場を変えてしまう、そんな人間の嫌な部分を上手く表現されていて、服装や名前こそ違っていますが現在の私たちにも通じる所があると感じました。
 
あっというまの90分でしたが、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
 
  淀川工科高校の皆様、本当にお疲れ様でした。
  
   大谷高校演劇部